住宅ローンの変動金利が上昇したら焦るけど、現状の把握が最大のキモかな

世間話

今回のお話はガチガチの住宅ローンのお話だけど、興味のある人いるかな。

私も変動金利で住宅ローンを組んでいるので、日銀の発表は気になるところです。

ヤフーニュースで「あ、政策金利を上げる布石を打ってるな」と思って、今回はきっちり上がりそうと感じたので書いてます。

住宅ローンのお話をするのは、自分も住宅ローンを組んでいるというのもありますが、家を建てたり買ったりする人のご相談の中には住宅ローンの話も多いので、慌てないようにして頂くためです。

固定金利にするかどうかの前に借入の状況を把握する

住宅ローンを「借りられるから借ります」みたいな感じで、返済についておおざっぱな感じの人もいるのですが、結論から先に言います。

固定金にしなければならないと慌てる必要も無く、住宅ローン破綻も今の生活が維持されているなら怖がらなくて良い、という話です。

ウクライナ侵攻を発端として世の中が大きく変わっている時は、物価も上昇しますし政策金利も変わりやすいです。

景気が悪ければ政策金利は低く、景気が良ければ政策金利は高くなりやすいです。

私が住宅ローン組んだ4年前はちょうどウクライナ侵攻のはしりぐらいで、「あぁ金利が上がるかもな~、変動金利・固定金利、どっちにするかな~」と考えて折半にしました。

SMBCから借りて、当時の変動金利が特約で0.39%、3年経って特約が切れて0.675%になりました。

先日、0.875%になってた。

この変動金利、SMBCは年に2回適用金利が決まり、6月と12月に変動金利の見直しになります。

ここからが面倒な話になります。

変動金利の5年ルールと125%ルールが生活を守ってくれる

固定金利は最初に返済額が決まり、ずっと同じ額を返済していきます。

変動金利は最初に適用された金利で返済額が決まり、5年間は返済額が変わりません。

5年ルールと呼ばれるものですが、借り入れた銀行によってはこのルールの無いところもあります。

通常時なら5年ルールはあってないようなルールなのですが、今のように変動金利が変わる場合、注意事項があります。

銀行でも説明されたと思います。

「金利が高くなれば上昇分の金利返済額は後回しにされますよ」と

5年間は最初に適用された変動金利の返済額で返済し、5年経ったらその時の新たな変動金利を適用して返済額が決まります。

ここで更に適用されるのが125%ルールです。

5年経ったら新たな変動金利の適用となる返済額になるのですが、その返済額は前の返済額の125%までというルールです。(これも銀行によっては扱っていないところがあるみたいです)

5年間の返済額が10万円だったら、6年目からはどれだけ金利が上昇していても12万5千円までになるというルールです。

安心と言えば安心です。

変動金利が変わって返済額が大幅に増えるから、住宅ローン破綻するかもしれない!と不安になりすぎる必要はないという根拠の一つです。

今、変動金利が上昇しても、今すぐ返済額が増えるわけでも無く、新たな変動金利適用時期が来て返済額が増えたとしても25%増で済むわけです。

今の生活環境が続いている限り、住宅ローン破綻は起きにくいことが分かります。

仕事を辞めたとかそういうのであれば、金利の上昇に関係なく破綻リスクがあるので、金利について心配するよりも仕事を探した方が住宅ローン破綻を避けられます。

政策金利が上がると変動金利が上昇する傾向にありますが、政策金利が上がった直後に変動金利が上がるかどうかは別です。

政策金利が上がると変動金利も上がることが予想されますが、銀行によって上昇するタイミングは異なることがあります。

政策金利の影響を受けて短期プライムレートという指標が変動し、短期プライムレートの指標を元に銀行は変動金利を決めています。(短期プライムレートを変動金利の指標にしていない銀行もあります)

結果的に政策金利が上がれば変動金利も上がるよねっていう話になるわけですが、だから返済額が急上昇して返済が出来なくなる、とはならないというのが上のお話です。

住宅ローン破綻とは返済出来なくなるという話です。

変動金利上昇でどの程度返済額が増えるかを計算する

「金利が上がって返済額も上昇して生活が成り立たなくなるかも知れない」と不安になるかもしれないのですが、そもそもどの程度返済額が増えるの?と計算すれば良いのです。

仮にこれから5000万円を30年変動金利で借りるとします。

今の適用されている変動金利が0.875%であれば、月々の返済は157,965円です。(4,000万なら126,372円、3,000万なら94,779円)

どのタイミングで変動金利が上昇するかですが、4月10月とか6月12月とか銀行によって違います。

仮に来年4月に見直しとなったとします。

変動金利が0.5%上昇したとしたら、1.375%になります。(現状、政策金利は0.25%程度上昇する可能性が暗示されているので、変動金利も0.25%ぐらいの上昇幅だと思いますが、多めに0.5%にしました)

新たな変動金利によって算出される返済額は借入5,000万なら返済額が169,482円で11,000円の上昇、4,000万なら9,000円の上昇、3,000万なら7,000円の上昇です。

仮に変動金利が0.5%ではなく、1%の上昇だったとしても5,000万で23,000円、4,000万で19,000円、3,000万で15,000円の返済額の上昇です。

現在の変動金利が1%上昇することはすぐには考えられないため、しばらくはこれぐらいを返済額の上限ぐらいと考えておけば良いでしょう。

30年ローンで上の金額ですが、返済期間を20年などにしても金利上昇に伴う上昇額は大体同じです。

5,000万を20年で借りたとしたら来年4月に1.875%に変動金利がなったとしても、22,000円程度の上昇です。(4,000万で18,000円、3,000万で13,000円の上昇)

5,000万の借入で0.875%から1.875%になっても23,000円の返済額の上昇であれば、この金額よりも低い融資なら返済額の上昇幅も小さくなります。

1ヶ月に23,000円を捻出するなら、何かを止めるか、働き口を少し増やすぐらいで賄えます。

しかも、今すぐここまで上昇することはないのです。

0.25%の変動金利上昇なら数千円程度の返済額増

仮に想定されている0.25%程度の変動金利上昇ならば、5,000万の借入で5,000円程度の返済額の上昇でしかありません。

これは5年ルールや125%ルールが無くてもこの程度ですし、これらのルールがあるなら尚更、今の返済額は変わりませんので、生活を脅かす理由がないのです。

変動金利から固定金利に変えた方が良い?

では変動金利から固定金利に切り替えるのはどうだろうか?についてですが、私は基本的に変動金利から固定金利に変える必要性は低いとみています。

変動金利が現在の固定金利に届くまでにどれくらいの期間が掛かるかを考えるからです。

よくある話が安心したいので固定金利に変更したい場合ですが、これは良いと思います。

固定金利にした場合、借り換えの場合で30年としたら、今が大体固定金利2.7%前後ぐらいが安いようです。

来年4月から変動金利を固定金利にして5,000万だった場合、月々の返済157,965円から202,418円(45,000円増)になります。(3,000万だと94,779円が121,451円(27,000円増)になります)

これが30年続きます。

これで大丈夫なら多分最初から固定金利にしていると思います。

最初に変動金利を選んでいたら、固定金利に切り替える選択肢は少ないような気もするけど、状況次第かな。

新規で固定金利を入れるとしても2%前後ぐらいで、全期間固定で3%前後ぐらい。

もし私だったら、最初から固定金利にするのは難しい気がします。

現在の固定金利に変動金利が到達するのには時間が掛かる

私は半分を変動金利にしたと言いましたが、じゃあ固定金利にしないのか?と言いますと、当面する予定はありません。

理由は現在の一般的な住宅ローンの借り換え固定金利2.7%に変動金利が到達するのにしばらく時間が掛かる(世情次第では到達しないかもしれない)ことと、変動金利が2.7%に到達するまでにも返済は継続され元金が減っていくためです。

更に日本は住宅ローンを変動金利で借りている人が多いことが分かっていて、なかなか政策金利を上昇させようとしないことも理由としてあります。

元金が減れば金利が上がっても返済額は減ります

住宅ローンで一番高い返済額は満額の時です

5,000万なら5,000万に対して金利が掛けられているときが一番返済額が高くなるのです。

最初に変動金利のままの計算です。

ちょっと計算が面倒くさいので、5,000万30年の変動金利が1.1%を3年間とし、3年後に平均変動金利3%とします。

163,126円の返済からスタートし、3年後に205,381円になります。

おおよそ4万2千円返済額が増えます。

次に変動金利から固定金利に切り替えた場合です。

5,000万30年の変動金利0.875%から来年4月に固定金利2.7%にした場合は、157,965円の返済からスタートし来年4月からは202,418円になります。

元金が少なくなるときに金利が上がっても返済総額は下がる

何が違うのか?やっぱり固定金利がお得なのでは?となるのですが、内容はこうです。

変動金利のままの返済総額は72,619,882円

固定金利に切り替えた場合の返済総額は72,737,076円

要は利息の支払いが固定金利に切り替えたタイミングによって増えるという話です。

変動金利がずっと27年間3%のままになることは想定出来ません。

上がることも想定されますし、下がる事も想定されます。

重要なのは借入額が多い段階で金利が低ければ低いほど良いという事です。

最初の10年を変動金利平均2%、残り20年を平均3%と仮定しても変動金利の方が良い

仮に向こう10年間の変動金利の平均が2%とし,その後平均3%になったとします。

5,000万の借り入れで最初の10年は毎月184,809円、次の20年は202,606円となり、返済総額は70,802,451円です。

変動金利は半年ごとに金利の見直しが入ります。

その時の政策金利の影響を受けるわけですが、今後10年間の平均が2%、その後の20年の平均が3%はそれなりに高い金利予測になると思います。

後半20年間は変動金利が平均3%であったとしても、来年4月から固定金利2.7%にした場合の支払総額より180万ほど返済額が少なくなります。

変動金利は景気が悪い時は低く、良い時は高くなりやすいので、懐事情に合わせられる

長期的に見たとき、景気が上向いていない状況では政策金利も上昇しにくく、変動金利も急激に上がることは予測しにくいこと、政策金利が上昇する時は景気も上向いている可能性が高く、お財布も温かくなっている可能性があるため返済にも余裕が見込まれます。

結果的に変動金利から固定金利に変更する必要性は低く、更に言えば、10年後20年後に金利が高くなったとしても、元金が少なくなっているので負担も大きくなりにくい事が分かります。

実際には今の返済額、今後の返済額、生活設計、固定金利に変更する必要性を諸々考えていき、返済額の見通しを立てます。

簡単に見るだけでも、変動金利が0.25%とか上がっても、数千円程度しか月々の返済額は上がりませんので、慌てる必要性はゼロです。

変動金利の5年ルール125%ルールのリスクと対処

これらのルールは返済額の均一化を図っているだけですので、返済総額の変化も考慮する必要があります。

金利が上がれば利息が増えるので返済額が増えます。

その増えた分をルール適用で後回しにしているだけです。

繰り上げ返済をしない場合、最後に帳尻あわせで支払いが求められます。

これが5年・125%ルールのデメリットです。

ただし、これも繰り上げ返済をすれば回避できると思います。

5万円でも10万円でも良いので繰り上げ返済をすると、返済額が再計算されます。

この時に5年・125%ルールも再計算されます。

変動金利が上がれば、上がった分として月々の返済額も再計算されるわけです。

新たな返済額になっていますので、最後に帳尻あわせで支払いを求められることもありません。

変動金利が上がって返済が出来なくなるかも知れないと不安になった時は、再計算すれば良いです。

結構、大丈夫な範囲かも知れないです。

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